アントシアニンの効能を徹底解説 ブルーベリー神話の正体とは?


ブルーベリーなどに含まれる、目に良い成分として有名なアントシアニン。
でも、その効能は意外と研究されていないことを知っていますか。

この記事では、現在わかっているアントシアニンの効能・効果を学術論文を参考にまとめ、解説していきます。

また、筆者が医師への取材のなかで聞いた「ブルーベリーが目に良い」と言われるようになった理由も公開しますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

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1.アントシアニンの効果・効能を徹底解説

1-1.暗順応を改善させる効果

アントシアニンの効果として代表的なのは、やはり目への効果。

とくに暗順応(明るいところから暗いところへ行き、少しずつ目が見えてくること)がスムーズになる効果は、臨床試験でも確認されています。

そもそも光や色を感じる神経細胞が集まる網膜には、明るいところで反応する部分(錐体)と暗いところで反応する部分(桿体)があります。

いきなり部屋の電気を消すと真っ暗で何も見えなくなりますが、しばらくすると暗いながらも部屋の様子が見えてきますよね。
この暗順応の力は、ロドプシンという物質が合成され桿体が働くことで機能しています。

アントシアニンのロドプシンへ効果が指摘されたのは1968年のことで、アントシアニンの臨床研究のなかでも歴史があります。

カシスアントシアニンを経口摂取することによって暗順応が改善するという臨床試験もあり、アントシアニンはロドプシンの合成に関わっているとみられています。

否定的な見解もありますが、アントシアニンの効果のなかでも比較的信用できるものではないでしょうか。

1-2.近視予防の効果は不明

よく近視予防のためにブルーベリーを食べているという人がいますが、近視に対する効果は動物実験の段階です。

個人的には、近視予防を目的にアントシアニンを摂るくらいなら、ルテインやアスタキサンチンのほうがまだ希望があるのでは……と考えます。

そもそも、なぜ近視になってしまうのかのメカニズムがわかっていないのです(もちろん、仮説は立てられています)。
原因がわかっていなければ、確実な予防はできないのが必然ですね。

アントシアニンを用いた動物実験では近視進行を予防する効果が確認されていますが、人に対する有力な臨床試験はまだないのが現状です。

1-3.白内障、緑内障の進行を抑制?

白内障や緑内障を心配する人の中には、アントシアニンが予防や治療に効果的という話を聞いたことがあるかもしれませんね。

結論から言いますと、アントシアニンが白内障と緑内障の進行を抑制したという報告は確かに存在します。

まず白内障ですが、軽度の白内障患者に対しビルベリーエキス360mg/日およびビタミンE200mg/日を4ヶ月にわたり投与したところ、白内障の進行が抑制されたという報告が1989年に発表されています。

次に緑内障についてですが、札幌医科大学の研究で緑内障患者に対し、カシスアントシアニン50mg/日を24ヶ月にわたり投与したところ、眼血流が増加、視野障害の進行を抑制したと報告しています。

ただし、これらはあくまでも大学病院等の管理のもとで日常的にはなかなか摂取しない量を用いての試験です。
一般的なサプリメントでこのような効果を期待するべきではありませんが、予防の心がけとして参考にしてもよいかもしれませんね。

筆者が調べた範囲では、アントシアニンが高用量で最も信用性があるのが、小林製薬のサプリメントでした。

注目すべきは、アントシアニン含量36%のビルベリー抽出液が主成分となっていること。これはヨーロッパの規格では医薬品として扱われる、安心かつ効果的な用量です。

また、少ないながらもカシスエキスを配合しています。さすが製薬会社というべきでしょう。

1-4.メタボリックシンドロームに対する研究が進む

筆者は眼科領域が専門なので深くは触れませんが、最近はメタボリックシンドロームに対する研究も盛んのようです。

ただ、一部の臨床研究では、血圧の改善やインスリン感受性の改善といった報告が上がる一方で、全く効果がなかったという研究報告もあり、効果のほどは研究途中のようです。

これら効果は、アントシアニンがもつ抗酸化作用にもとづいていると思われます。
実はこれまでアントシアニンのバイオアベイラビリティ(体内に取り入れた成分が全身に吸収される効率)はかなり低いとされてきましたが、現在では腸内細菌によって体に吸収されていると考えられているようです。

2.妊婦さんはアントシアニンの副作用に注意?

さて、ここまで紹介したアントシアニンの効果も、摂取量が重要な基準になっていることは明白です。
そこで気になるのが、「アントシアニンはどれくらい摂っても大丈夫なのか」ですよね。

国立健康・栄養研究所の「『健康食品』の安全性・有効性情報」によれば、アントシアニンの摂取量について信頼し得る研究はまだないということです。

逆に言えば、一般の健康体の方が摂るぶんには、目立った副作用は報告されていないということでもあります。

注意が必要なのは、妊娠中の方。
「妊娠中のアントシアニンを多く含む健康食品の摂取により、胎児が動脈管早期収縮を生じた事例が複数報告されている」とあり、日本においても報告があります。

胎児に影響が出てしまった事例として、「ドライプルーン濃縮物40 g/日+紫色野菜・果物ジュース200 mL (アントシアニン20mg含有) /日を、妊娠36週より10日間摂取」と報告されています。

ドライプルーンのアントシアニン含有量がわからないので具体的な摂取量は計算できませんが、「紫色野菜・果物ジュース」で20 mgを摂取したうえにドライプルーンを食べていたわけですから、かなりの量を摂取していたと思われます。

摂取量について気になるという方は、「アントシアニンの摂取量の目安は決まってない! 適量を海外論文から探る」を参考にしてみてください。

3.ブルーベリーサプリはなぜ広まった?

某国立大学の教授に取材した際、「ルテインのほうが臨床的な効果が確認されているのに、目にはブルーベリーという認識が広まったのはなぜですか?」と伺ったことがあります。

答えは聞いて納得、「某サプリメント会社の過剰な宣伝(コマーシャル)によるもの」と教えてくれました。
ここでは名前を伏せますが、とても有名なブルーベリーのコマーシャルを出しているところです。

さらに教授は机の上にある某会社のサプリメントを手に取り、「ただ、こうした会社が研究費を出してくれることによって、私たちの研究が進むという側面もあるんだよ」と言葉を継ぎました。

よく第二次世界大戦中にイギリス空軍のパイロットがブルーベリージャムを食べていたのが始まりといわれます。
しかし、学術的にブルーベリー(アントシアニン)が目に効果を発揮すると確認できたのは、1968年。
健康機能の面で研究が盛んになったのは、ここ20年ほどの話だといいます。

20年もあれば十分と思うかもしれませんが、上で紹介した札幌医科大学の緑内障に対する効果も24ヶ月に渡って観察されていました。
観察が終わり、きちんと研究をまとめるのにも時間がかかります。
そして課題を見つけて、また観察と研究……。
こう考えると、20年がいかに短い時間かわかると思います。

よく「ブルーベリーは眼病に効果がある」など断言するサイトがありますが、こう考えるととても断言なんてできないですよね。

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