ノーベル賞で体内時計が再注目 ブルーライトは健康を脅かす?


2017年のノーベル医学生理学賞が「体内時計(概日リズム)に関する研究」に決まったことで、体内時計を乱す原因となるブルーライトが再注目されています。

この記事では、ブルーライトと体内時計の関係性や、ブルーライトを防ぐためにはルテインが欠かせないことなどを解説していきます。

現在はスマホの普及によって、人間の体内時計はいまだかつてないほど乱れやすい環境といわれています。
いまこの記事を読んでいるあなたも他人事ではありませんよ!

スポンサーリンク



1.体内時計(概日リズム)について確認しよう

人間は一日周期の生体リズムを持っており、体内時計によって調整されています。概日リズムやサーカディアンリズムと言うこともありますね。
体内時計は、昼間は活動状態、夜間は休息状態と体を切り替え、効率的に生活するための機能です。
夜になると自然に眠くなるのもメラトニンというホルモンが分泌されるためで、これも体内時計の働きです。

では、体内時計はどうやって昼と夜を認識しているかというと、脳の視床下部にブルーライトが届いているか否かで把握しています。
心で「今は昼、今は夜」と念じても切り替わりません。
視床下部には視交叉上核(体内時計の司令塔)があり、各臓器の時計遺伝子と連携して生体リズムを整えているといわれています。
今回のノーベル賞では、この遺伝子が特定されたというわけです。

1-1.体内時計はブルーライトによって昼夜を認識する

さて、体内時計はなぜ「ブルーライトが視床下部に届くか否か」で昼夜を認識するのでしょうか。これを理解するには、ブルーライトの性質について知る必要があります。

ブルーライトとは、人間の目が青色として捉える光で、約380~500nmの波長をもつ電磁波のこと。
人間が光として見ることができるのは、約380~780 nmまでの波長といわれており、波長の短いものから順に、紫・青・緑・黄緑・黄・黄赤・赤として認識しています。
波長は短いほど、エネルギーが強くなります。紫外線はその名前の通り、紫色(380nm)より波長が短いために強いエネルギーをもち、お肌の天敵になっているというわけです。

波長の順番をみてもわかるように、ブルーライトは紫外線に近い力を持っており、目の奥――視床下部へ直接届くという特徴があるのです。
視床下部へブルーライトが届くと、脳は強い光が届いているのだから昼間(活動時間)だと認識し、各臓器に活動するよう指示を出します。
夜になれば自然界には強い光を放つものがないので、自然と視床下部まで光は届かなくなり、脳は夜だと認識して休息状態に入るよう指示を出します。

ブルーライトと言い換えると得体の知れない光のように感じるかもしれませんが、太陽光にも含まれる自然の光であり、体内時計を整えるために欠かせないものなのです。

1-2.私たちはブルーライトハザードの時代に生きている

ブルーライトが問題視される原因として、パソコンやスマートフォンの使用時間が増えたことによるブルーライトへの長時間曝露、ブルーライトハザードが挙げられます。
実際、十数年前はスマートフォンもなかったですし、会社や学校でもこんなにパソコンと向き合っていなかったですよね。

また、現在のパソコンやスマートフォンの画面は、LEDを用いた液晶画面が採用されており、発せられるブルーライトの量が増加しています。
これは照明器具も同様で、LEDからはブルーライトが多く発せられています。

従来の蛍光灯やブラウン管テレビからもブルーライトは放出されていたのですが、LEDは白色光を作り出す方法が異なります。
青色光を放つLEDと黄色の蛍光体を組み合わせる方式が主流になっているため、どうしてもブルーライトが多く放出されてしまうのです。

このため現代人の視床下部には、パソコンやスマートフォンの画面から発せられるブルーライトが届き続けます。室内も照明器具によって明るく保たれているため、脳は夜になっても休息状態に切り替われません。
現代人はいまだかつてないほど、体内時計が乱れやすい環境に置かれているのです。

1-3.体内時計が乱れは万病のもと

体内時計が乱れたからといって、なにか問題はあるのかと疑問に思うことでしょう。
まず身近な例として、体内時計の乱れは寝付きの悪さや睡眠時間の減少を招き、睡眠の質を下げてしまいます。睡眠の質が悪く、体調が優れないという人も多いですよね。
時差ボケなどもこのひとつで、比較的身近な弊害といえるでしょう。

さらに問題なのは、体内時計の乱れが体中にある時計遺伝子の異常につながり、時計遺伝子が司る様々な細胞で問題が発生するということ。

例えば、脂質の代謝がうまくいかなくなることで、肥満の原因となります。
また、膵臓においてインスリンの分泌が減り、血糖値のコントロールがうまくいかなくなり、糖尿病のリスクが上昇するといったことも予測されます。

体内時計にまつわる遺伝子の発見がノーベル賞につながることからもわかるように、体内時計の乱れは人間の健康に直結する深刻な問題なのです。

2.今日からできるブルーライト対策!

現代の生活でブルーライトを完全に避けることは困難ですが、心がけ一つで体への影響を減らすことができます。

2-1.就寝前のパソコンやスマートフォンを控える

ブルーライトの影響に詳しい医師などは、夜間のパソコンやスマートフォンの使用を控える習慣を取り入れています。

自然界の夜には強い光を発するものがないので、夜間は昼間以上に光に対して敏感になっています。
就寝前にパソコンやスマートフォンをチェックしてしまう方は多いと思いますが、就寝の1~2時間前にはパソコンやスマートフォンの使用は避けた方がいいといわれています。

体内時計を整えるには、毎朝規則正しく太陽光を浴び、就寝前のパソコンやスマートフォンの使用を控え、夜間は間接照明で生活するといった心がけが大切です。

2-2.ブルーライトをカットする眼鏡を使う

上の体内時計を整えるための生活習慣をみて、「私には無理」と思う方も多いでしょう。筆者もそう思います。

スマートフォンは手放せないという方、仕事や学校で長時間のパソコン作業を行うという方は、ブルーライトをカットする眼鏡を利用するとよいでしょう。目に届くブルーライトの量自体を減らすことができます。

実際に筆者も発売当時からJINSのブルーライトカット眼鏡を利用していますが、パソコンを見ていて眩しいと感じることがなくなりました。
これは本来の使い方ではないかもしれませんが、ブルーライトカット眼鏡で外へ出るとサングラスを掛けているように目が楽です。

また編集者という職業柄、一日中パソコンを睨む不規則な生活を送っていますが、ブルーライトカット眼鏡のおかげもあってか睡眠のリズムは一定しています。

ただ、ブルーライトをカットする眼鏡はレンズに色味が入っているものがあり、視界の色合いが変化してしまう場合があります。
筆者も色校正などで正確に色を判断しなければならないときは、眼鏡を外します。仕事や授業などで色に気を使うという方は、注意して利用してくださいね。



 

2-3.今すぐ無理なくできる対策を伝授!

今すぐ無理なくできるブルーライト対策もあります。
それは、「画面から離れること」と「画面の明るさを落とすこと」。アニメの放送前の注意事項のようですが、とくに画面から離れることは物理に基づいた光対策なのです。

光の強さは、光源からの距離の2乗に反比例します。つまり、距離が2倍になれば光の強さは1/4になり、距離が3倍になれば光の強さは1/9になるというわけです。
画面から離れれば、そのぶん光の強さは減退します。

厚生労働省「VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン」によれば、画面との距離は40センチ以上確保することが望ましいとされています。
よくデスクワーク中にひどく猫背となり、画面に目を近づける人がいますよね。自分がどれくらいの距離を空けてパソコンと向き合っているか、確認してみると良いでしょう。

3.まとめ

今回のノーベル賞の受賞について調べてみると、当初はもっと先進的な技術が受賞すると予想されていたそうです。
しかし、その予想に反して選ばれたのは、何十年も前の功績である「体内時計」でした。
世界的にみても、主にスマートフォンを原因とするブルーライトによる体内時計の乱れは、無視できない問題ということでしょう。

今後ブルーライトの影響について研究が進み、人体への問題が新たに発見されるかもしれません。人間はいまだかつて、これほどブルーライトを浴びた経験がないからです。
実際にブルーライトは目のなかで活性酸素を増加させ、加齢黄斑変性や白内障といった眼病の原因になるのではという指摘もあります。

健康を損ねる前に、今のうちから対策を立てておいたほうが良いかもしれませんね。


スポンサーリンク